日蓮宗 一乗山妙法寺

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  • 眼に映る姿は己が心の投影(広報紙 妙法 第145号掲載)住職 井村一誠

    2017年10月22日

    法話

    世界各地で加速する、温暖化の中で、異常気象が相次いで起きています。日本においても、今年初めて温暖化の影響で異常気象が発生したと報道されていました。

    私達が拠り所とする、この世界に起きている全ての現象は、私達と密接な関係であることを、中国の妙楽大師湛然は、「法華玄義釈翠籖」に「依正不二」の法門を説いています。「依」は環境・国土、「正」は私達衆生です。依報と正報が別々のように見えても、お互いに影響されながら依存し私達の心掛け次第で住む環境が、汚れもするし住みよい環境にもなるということです。

    又、法華経・譬喩品第三に、「今此の三界は皆是我が有なり 其の中の衆生は悉くこれ我が子なり。而も今此の処は諸の患難多し唯我一人のみよく救護をなす」と、説かれています。此の三界(欲界・色界・無色界)は私達が拠り所とする世界です。久遠の本仏お釈迦様は、「此の世界は自分のもので、そこに住む衆生は我が子供である。悩み苦しむ衆生を救うのは私一人である」と、仏様の救済の慈悲が示されています。しかし、多くの衆生は親の心子知らず。仏様の存在には全然関心を示さず、興味があるのは自身の欲望を満たすことのみ。人の心が三毒(貪り・怒り・愚痴)が強盛で豊かさを求めれば、住んでいる環境は自然と汚染されます。しかし、信心をして仏法を学び「身口意の三業」にお題目を信じ、唱え、伝えるならば、住む環境は浄化され、住みよい環境になります。

    ミサイルが日常的に日本の上空を飛ぶ時代、日蓮聖人の時代に、蒙古国が日本の国を脅かしたことが脳裏をよぎります。環境の悪化は私達の信心の投影です。この環境を浄化するにはまず、日々の本尊へのお参り、強い信心からの唱題が大切です。

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