日蓮宗 一乗山妙法寺

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  • 予期せぬ出来事(機関紙本門第155号掲載)住職 井村一誠

    2013年07月14日

    法話

    本年6月30日、総勢40名(大人35名・子供4名・幼児1名)で、第六回目の祖廟輪番給仕を勤めさせていただきました。

    今回の輪番給仕は、申し込んだ時点で、山梨の五ケ寺、総勢74名の先約がありました。法要の導師は申し込みの早い方が導師を務めることになっています。導師の責任の無い分、気持ち的にゆったりできる輪番給仕になる予定でした。

    新東名が開通したお陰でお寺を6時に出発して9時30分頃、身延山へ着きました。大聖人様の御廟へお参りをし、時間の都合で、先にお土産タイム、そして昼食を済ませた檀信徒の皆さんは時間の来るのを待ちました。住職は少し早めに呼び出されて別室で法要の打合せを致しました。

    事務局が、「本日の祖廟輪番給仕、御苦労様でございます。本日の法要のお導師様は先に申し込まれた御寺院様でよろしいですね」と、念を押されました。ところが、予期せぬことが待っていたのです。先に申し込まれた地元の老僧が、「私共はもう30回もお給仕をさせて戴きました。どうぞ妙法寺さん、遥々遠くからおいでいただきましたので、檀信徒の方々の為にも、お導師をお勤め下さい」と。大役を仰せつかってしまったのです。その上、最後の挨拶まで任されてしまいました。緊急事態発生に脳の中では老朽化したコンピューターがフル回転です。法要は過去にも経験あるし、事務局が付いてくれているので何とかなる。問題は挨拶、絶好の場面を戴いて、「本日は祖廟輪番給仕、御苦労様でした」で終わってしまっては大聖人様に申し訳ないと思いました。大聖人様なら何をお伝えになるだろうかと考えました。日頃申しあげていること(日蓮大聖人の宗教は「南無妙法蓮華経」のお題目を、身と口と意の三業に受持すべし)を柱にして、解りやすくお話しようと思いました。

    大体の内容は、「三業に受持するとは、意に仏様の実在と救いを信じ、口にお題目を唱え、この身体でお題目を伝えること。仏様とは、御先祖様ではなく、法華経の如来寿量品第十六の中で顕された、私達が手を合わせる対象の久遠の仏様であること。お釈迦様がインドの霊鷲山で八ヶ年法華経を説法された時、如来神力品第二十一の中で、末法の時代に法華経を説き弘めることを地下より湧き出た菩薩の先頭にいた四人の菩薩に付嘱(お願いする)されました。その最も先頭にいたリーダーが上行菩薩(日蓮大聖人)であること。大聖人の生涯は、法華経色毒、受難を歴史に刻んだことによって、法華経の真実性が証明されたこと等」です。

    高みの見物から頭を切り替え、そして、本番に望みました。適度の緊張感と、妙法寺の皆さんの力強い読経の声、身延山の心地よい風が気持ちを強く押出してくれました。

    無事、法要と挨拶を終え、やっと緊張感から開放されました。帰りの車中で、参加者から一言ずつ感想を述べていただきました。それを聞いて、皆さんが輪番法要を印象深く受け止めていただけたこと、他の団体の方々にも、多少なりとも大聖人様の宗教をお伝えすることができたのではないかと思いました。場所が大聖人様の御真骨堂でしたから、お力添えして下さったのだと心から感謝しました。

    これからも、いりいろの機会を通して大聖人様のお題目の信仰をお伝えして参りたいと思います。

    南無妙法蓮華経

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